校正(実負荷・等価入力・TEDS)
校正とは?
指示計/アンプと「ひずみゲージ式トランスデューサー※」を接続し、指示値を設定する操作のことを「校正」といいます。ここで言う「校正」とは機器間同士の組合せの事です。
※ひずみゲージ式トランスデューサー:圧縮・引張ロードセル、専用型ロードセル、圧力トランスデューサー、台はかり、トルクメーター
校正の種類とその特徴
校正には、実負荷校正、等価入力校正、TEDS校正の3種があり、各校正にはメリット・注意点がありますので、どの校正方法を選択するのかを検討する必要があります。
新機能として、「プラグアンドプレイ(PnP)ソリューション」TEDS校正があります。
校正種 | 実負荷校正 | 等価入力校正 | TEDS校正 |
---|---|---|---|
校正イメージ |
分銅を使用した校正 |
ロードセルに付属されている試験成績表を使用した校正 |
ロードセルに内蔵したメモリにモデル名・シリアル番号・感度を電子化して記録し自動校正 |
画面例 【TD-9000T】 | |||
校正の流れ | ①分銅の用意 ②ロードセルと指示計を接続 ③ブリッジ電圧の設定 ④ゼロ点校正(Enter) ⑤分銅をロードセルに乗せる ⑥値を手入力で指示計に記録 ⑦表示単位選択 ⑧設定完了 |
①試験成績表を用意 ②ロードセルと指示計を接続 ③ブリッジ電圧の設定 ④最小目盛設定(変更無しなら省略可) ⑤試験成績表の値を手入力で指示計に記録 ⑥ゼロ点校正(Enter) ⑦表示単位選択 ⑧設定完了 |
①ロードセルと指示計を接続 ②自動読み込み ③ゼロ点校正(Enter) ④設定完了 |
メリット |
|
|
|
注意点 |
|
|
|
ティアックのプラグアンドプレイ(PnP)ソリューションとしてのTEDS校正
新機能として、「プラグアンドプレイ(PnP)ソリューション」TEDS校正があります。
接続しただけで校正を自動化できるため、他の校正にありがちなヒューマンエラーをなくします。
TEDS(Transducer Electronic Data Sheet)とは、センサー固有の情報を電子的に読み書きする仕組みで、センサーに内蔵したEEPROMに記録し、この値を電子的に読み書きすることができるIEEEで規格化された記述フォーマットの総称です。TEACのロードセル本体に内蔵されたメモリに下記を電子化し記録します。メモリーチップを内蔵させることで、対応が難しい小型低容量のモデルにも対応しています。
- モデル名
- シリアル番号
- 感度(物理量に対する出力値)等の校正係数
センサーだけでなく指示計がその読み出しに対応することで、センサー固有の値を電子的に設定でき、記録された情報を 読み取り等価入力校正を自動化し、設定時のヒューマンエラーを排除、ロードセル交換時の負担を軽減することができます。
【問題点】
- 試験成績表の紛失により正確な感度がわからなくなることがある。
- アンプ、指示計に一度設定すると何度も変更するものではないので、設定方法を忘れることがある。
- アンプ指示計のマニュアルを紛失して、設定方法が分からなくなる。
- ロードセルの組み込まれた機器が海外工場で使用されている例が多く、故障時に対応に手間取る。
- ロードセル本体に内蔵されたメモリーに感度情報が記録されているため、データの紛失が起こりません。
- 指示計が自動モードの際、つなぎ変えて電源を入れると自動的に感度情報を再度読み込み、設定がされるため、マニュアルを見ながら手動での設定がなくなり、現場でのメンテナンス性が向上します。
TEDS 内蔵ロードセルの電気的接続
- 図に示す通り接続してください。
接続を間違えると平衡が取れなかったり、荷重を負荷した場合、出力電圧に誤差が生じます。 - ケーブルの「橙、緑」またはコネクターピン「F、G」はTEDS 用の配線です。
- リモートセンスには対応しておりません。
リモートセンス対応品は、TEDS と同じケーブルやコネクターピンを使用しますので、誤ってリモートセンスとして使用しない様にご注意ください。 - シールド線は本体に接続されておりません。外来からのノイズ等でアースの必要があるときは、シールド線を本体以外の部分で接地するなどの処置をしてください。
- ケーブルを延長される場合は、専用ケーブルを使用してください。(当社にご相談ください)
- 6φ以上のシールドケーブルは黄色
ティアックのTEDS対応への取組み
ティアックは国内で最初にマニュファクチャラーIDを取得。ワールドワイドでは16番目(現在登録数90社中)に取得済みです。(マニュファクチャラーID:32) 指示計についてもTD-250T以降のモデルではTEDS読み込みに対応しています。センサー、指示計両方の対応で設定が簡略化でき、現場での設定の煩雑さがなくなります。
TEDS対応機種
TEDS規格:IEEE1451.4 クラス2 ミックスモードインターフェース
読込対応ロードセル規格: IEEE1451.4(V1.0)4kbit
※ティアックのロードセルは、IEEE1451.4(V1.0)4kbitに対応しています。